フィリピン人男性との間に生まれた長男を日本人との子と偽り、日本国籍を不正取得しようとしたとして、愛知県警は8日、国籍法違反(虚偽の届け出)などの疑いで、フィリピン人で名古屋市南区加福本通、無職ジタ・マリア・テレサ・モラレス被告(26)(入管難民法違反で起訴)を再逮捕し、同区豊、派遣社員永山毅容疑者(57)を逮捕した。  県警によると、虚偽の国籍取得を禁じた改正国籍法(今年1月施行)での摘発は全国2例目という。  発表によると、2人は共謀して昨年9月、名古屋市南区役所に対し、フィリピン人男性との間に生まれたマリア被告の長男(2)の父親が、永山容疑者だとする虚偽の認知届を提出。沖縄県糸満市にある永山容疑者の戸籍に虚偽記載させ、今年3月には名古屋法務局へ国籍取得届を提出した疑い。  調べに対し、マリア被告は「子供に日本国籍を取得させたかった。手口は雑誌で知った」、永山容疑者は「マリア被告に頼まれた」と供述しているという。  改正前の国籍法では、外国人母の子供は、日本人父との婚姻がなければ日本国籍は取得できなかったが、昨年6月の最高裁の違憲判決を受けて、父が認知すれば届け出だけで国籍取得が可能と改正された。偽装認知した場合、1年以下の懲役、または20万円以下の罰金を科す規定も新設された。 (2009年12月8日12時13分 読売新聞)