フィリピン人の男との間に生まれた子どもを、日本人の男が認知したとするうその届け出をしたうえ、子どもに日本国籍を取得させる申請をしたとして、フィリピン人の女ら2人が国籍法違反などの疑いで警視庁に摘発されました。結婚していない日本人の父親と外国人の母親との間に生まれた子どもでも、父親が認知すれば日本国籍が取得できるとする改正国籍法に違反したとして摘発されたのは初めてです。 摘発されたのは、茨城県土浦市に住むフィリピン人のイトウ・マリサ・フローレス容疑者(31)と内野道央容疑者(55)です。警視庁の調べによりますと、フローレス容疑者は、ことし8月、フィリピン人の男との間に生まれた子どもを内野容疑者が認知したとするうその届けを市役所に出したうえ、子どもに日本国籍を取得させる申請を法務局にしたとして、国籍法違反などの疑いが持たれています。フローレス容疑者は去年、日本人と離婚し、在留資格を失っており、子どもの日本国籍を取得することで滞在し続けようとしたということで、在留資格変更のうその申請をしたとして逮捕されました。警視庁によりますと、フローレス容疑者は「金を稼げるので日本に残っていたかった」と供述しているということです。国籍法は、最高裁の判決を受けて、結婚していない日本人の父親と外国人の母親との間に生まれた子どもでも、父親が認知すれば日本国籍を取得できるよう改正されましたが、改正後に違反したとして摘発されたのは全国で初めてです。